無償版 G Suite からレジストラの個別メール転送&SMTP認証メール送信への切替
突然発表された無償版 Google Workspace (旧 G Suite, Google Apps) の有料化。全世界に衝撃が走りましたね。
救済策も検討中と発表もありましたので、期待はしつつ。移行を並行して考えます。
私も 4 セット分の G Suite 契約 (無償サブスク) をしていましたので、対象となりました。
ただ、有償化は 2012 年に新規受付を終了した時点から、これは折込済み。いずれは有料化されるよね。
なので Google アカウント認証は使わずメールアドレスを登録したりしています。どうしても使いたいときは @gmail.com で認証していましたので、ほぼ Gmail の UI 目当て。それほど影響はありませんでした。
それでも 4 セットあるので、毎月、私使ってますよ的なログインして宣言して使ってたし、それも面倒なので 2 つは解約して別で借りている VPS 側へ移動させました。
G Suite の Gmail の移行案
なんといっても Gmail の「迷惑メール」機能「UI」は抜群ですよね。この 2 つの方法は「Gmail の UI」と「迷惑メール」機能を使える方法です。
- レジストラのメール転送機能で @gmail.com へ転送と、SMTPサーバ登録する案
- レンタルサーバ等を契約し、Gmail UI(@gmail.com) をメールソフト使用する案
どちらの方法でも独自ドメイン名 (カスタムドメイン名) で使用可能です。
ただしレジストラ機能の場合はメール送信認証 DKIM や ARC のサインができないので、DMARC を使う場合は SPF 一本で運用する必要があります。
【レジストラのメール転送機能で @gmail.com へ転送と、SMTPサーバ登録】する方法
あまり知られていませんが、ドメイン名維持管理サービスを提供するレジストラにも、メールをアドレス毎に転送する機能が無償で用意されていたりします。キャッチオール的な * (アスタリスク) も指定可能です。
私の知ってる限り以下のレジストラで使用が可能です。ただ、いづれの場合もレジストラ側の DNS サーバを使用する必要があります。
- Google Domains (内部は eNom)
- value-domain 内の eNom レジストラ
- value-domain 内の GMO レジストラ
- 21-domain 内の eNom レジストラ
* 他にも多くの日本レジストラが eNom のリセラーとして内部で使用しているはずです
* eNom は先日データセンター移行を行い大失敗していますが、世界 1-2 を争う大きなレジストラですので、この失敗の教訓を活かして運用はうまくやってくれると期待しています。Google Domains 側も仕入れている立場なのに、eNom の責任としてほぼ対応をしてくれなかったようなツイートもいくつかみかけました。外人らしくて良いですね(汗 メンテは継続していますが、今は正常安定運用されています。
* 信用ならない方は日本の value-domain の GMO レジストラでしょうかね。
到着メール:@gmail.com へのメール転送
info@ や webmaster@ など、個別のメールアドレス毎に、それぞれ転送先を指定することが可能です。"*" アスタリスクを指定すれば、全メールアドレスを転送することも可能です。
送信メール:SMTP 認証を使用したメール送信
@gmail.com の機能で、外部 SMTP サーバを使用してメールを送信する機能が用意されていますが、smtp.gmail.com を指定して独自ドメイン名のメールアドレスを使った送信を設定することが可能です
SMTP 認証は自身の @gmail のアカウントで行い、From メールアドレスはカスタムドメイン側のメールアドレスを使って送信する方法です。以下、例です。
- アドレス(例): webmaster@example.jp ← カスタムドメイン
- SMTP サーバ: smtp.gmail.com
- SMTP 認証アカウント: *******@gmail.com
- SMTP パスワード: wwwxxxyyyzzzaaabbb ← アプリパスワード
Google 側の公式マニュアルはこちら。
また多要素認証を使用している方(今は多要素必須?)は、smtp.gmail.com を使用する場合は「アプリパスワード」を用意する必要があります。Google アカウントのセキュリティ画面から SMTP 認証の為にアプリパスワードを発行して利用する形です。
ただし、この方法は Return-Path: 値や DKIM シグネチャは SMTP 認証で使用したアドレスが記録使用される形で、あくまでも From: ヘッダのみがカスタムドメイン名になります。
無償でできる範囲ですし、昔からある機能なので、この機能で自分のドメイン名が使えれば十分かもね。
【レンタルサーバ等を契約し、Gmail UI(@gmail.com) をメールソフト使用する】方法
- さくらのメールボックス
- 独自構築
これを選ぶ方は、みんな自分でできるよね。
SMTP サーバの指定、POP3 サーバの指定、それぞれレンタルサーバや VPS 側を指定して、Gmail UI はメールソフトとして特化する形です。
ただ、一点注意が必要なのが、POP3 接続が失敗すると、その後 Gmail 側からの POP が止まることです。これシビアですよねぇ(汗
私もこちら。昔から VPS でメールも運用していたので、元サヤへもどったというか VPS の独自構築へ戻りました。これではれば ARC や DKIM、SPF、SenderID、DMARC、BIMI など、どうにでもなるしね。